平凡な夢ほど時として非凡な夢と化すことがある。
まさしく僕の夢がそれで、ゆえに夜毎交わされる亡き君との逢瀬。けれど、人間とは得てして強欲で、姿を見れば声を望み、声を聞けば触れたくなる。
僕の夢が非凡なのはそう、その温もりと共に在りたいと願ってしまったから。
ひとの夢は儚いけれど、網膜が朝ぼらけの橙を感じるまでの夢は現であって夢ではない。そうして気付いたのは、醒めない夢は現に為り得るということ。
大量の錠剤を噛み砕いた僕は、君の香りが薄れた寝具に沈んだ──……。眠れる森
君と何度も愛し合った寝具の中
僕は深く永い眠りに堕ちてゆく
FIN.
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