要するに死亡率99%の短篇作品集です。



 長らく続いた灰白色の季節が終わり、そろそろ仄かに淡く色付く季節がやって来る。
 今日は久しぶりの晴天で、淡い青色に純白がのんびりと泳いでいる。陽気も穏やかで、窓を開けても冷気が流れ込んでくる気配はない。
 こんなに心地好い日は心がざわついて、ふと死にたくなる。

 時間に追われて過ごしていた日は、いつもいつも休息が欲しいと嘆いていたけれど、いざ休暇を得てみると僕がいかに中身のない人間であるのかを否応なしに思い知らされる。
 忙しさにかまけて蔑ろにしていた趣味はいつの間にか興味も技術も薄れていて、今やもう趣味と呼べる趣味はなく。毎日のように呑んでいた同僚たちは休日になると誰も掴まらないし、それ以前に誰を誘えば良いのかすらわからない。
 無機質な画面に表示される大量の個人情報はどれも仕事関連のものばかりで、私的な繋がりを持つ人間なんて殆どいない。

 寂しくて、惨めで、空虚な僕が滑稽で、やっぱり死にたくなる。

 おでかけ日和の穏やかな休日。
 僕は、純白がのんびりと泳ぐ淡い青色の中へ飛び込んで逝った。


さりとて霜雪と消ゆ

FIN.


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