要するに死亡率99%の短篇作品集です。



 このクラスには、すげーキモイ奴がいる。髪なんか天然「パーマ」っていうより天然のチリ毛で、付いたあだ名はパプア。どっかの国名に使われてるパプアって言葉の、縮れ毛って意味から来てるらしい。名付けた奴マジ神。

 何がキモイって、パプアの言動はとにかくキモイ。授業中に叫び出したり、空中やフィギュアに向かって話しかけるなんて日常茶飯事。自分はナントカ界の王様だとか、本気を出せば俺たちを瞬殺できるとか言うのも日課。あんまりしつこいから本気出せよって言ったら、すげー吃ってんの。超ウケんだけど。
 ちなみに一人称は朕。だから朕子っていうあだ名も持っている。

 朕子は太ってるせいかかなり汗を掻く。真冬でも汗だく。制汗スプレーや冷水をぶっ掛けても汗は引かない。そのうえ体臭は生魚みたいに生臭い。だからフィッシュっていうあだ名も持っている。

 フィッシュは身長が低い割に太っている。だから優しい俺たちはアイツに給食をたらふく食わせてやる。みんなの残飯を混ぜたスープとか特製の消しカスふりかけとか。言葉ですら気持ち悪い汚物や何かも食べるデブだから豚っていうあだ名も持っている。

 豚は裕福で何でも持っている。マンガもゲームも金も、俺たちが欲しがるものは全部持っていて、その全部をくれた。でも、いつからか出し渋り、仕方ないから菓子でいいよって万引きさせたら即捕まった。使えねー……っていうか、マジでモノ盗むとか引くわ。そんな犯罪者にはお似合いの泥棒っていうあだ名も持っている。

 泥棒の身体は頑丈に出来ている。何人掛かりでプロレスごっこをしても欠席しない。だからサンドバッグのサンドマンっていうあだ名も持っている。
 あ、でも1回だけ休んだっけ? ナントカ眼を封印してる眼帯を外して見たらフツーの目だったから、アイツが嘘つきにならないようにコンパスで六芒星を書いてやった翌日。あの日だけは休んだ。でも、そのおかげでオッド・アイっていうあだ名も持っている。

 オッド・アイは死んだ。学校の屋上から飛び降りて。
 その時に知ったんだけど、ニュースや何かで見聞きする「どこどこを強く打って」っていう表現はつまり、陥没したり欠損したりして原型を留めていない──ぐちゃぐちゃの婉曲なんだとか。そんなわけでアイツは「頭を強く打って」死んでいた。

 そして今、全国区で有名になった俺たちにもあだ名が付けられた。


We were labeled murderers.

FIN.


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