要するに死亡率99%の短篇作品集です。



 空に赤みが残る早朝、私はバケツいっぱいの餌を持って飼育小屋へ向かった。
 ずっしりと肩甲骨を軋ませる重量。本来なら二人掛かりで持つべきなのだろうが御生憎様、飼育係を宛てがわれたのは私だけ。
 動物が好きとか、係を積極的に熟したいとか、そんな理由は微塵もない。むしろ人間をはじめとする動物全般が嫌いで、存在を覚られないほど消極的に息を潜めていたい。そんな私だからこそ押し付けられたのだろうが、そんな私だからこそ反論する気概もない。
 それがこの結果。この体たらく。

 小屋に入れば、餌を持っていると知ってニワトリたちが群がってきた。飛べないくせにバサバサと羽ばたく羽音が鬱陶しい。
 まったく、自分に好都合な時だけ私に寄り付く様はトリもヒトも同じね──なんて嘲笑しながら餌を給餌箱に移すと、ニワトリたちは私から離れて餌を貪り出した。
 やはりこの結果。この体たらく。

 途端に沸き上がった感情は悲哀か憤怒か、はたまた享楽か。
 気付けばニワトリの細首に手を添えている私がいて、気付けばゴリッという胡桃を割るような感触が手中にあった。そうして私が喜色を浮かべるや否や、醜い悲鳴が耳を衝いた。不自然に首を傾げて転がる同胞に慄いのか、三歩で発揮される忘却すら忘れてバカ共が喚き出したのだ。
 だが悲しい哉、バカはバカのまま。耳障りな羽ばたきで飛ぶ真似をしていた。
 だからその結果。その体たらく。

「あ、ホームルーム始まっちゃう」


ニンゲンの首を手折るのは
骨が折れそう、なんてね。


FIN.


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