要するに死亡率99%の短篇作品集です。



 ──あたしと付き合って。

 二つ返事にキスをオマケすれば万事オーケー。俺に告白する女は簡単に足を開くビッチばかり。だけど。だから。どうした? 暇潰しに煩わしさは必要ないからノープロブレム。

 ダチ連中はいつか刺されるぞって脅すけど、ビッチが本気で恋するわけもなく。それをわかってるからこうして暇潰しできるわけで。
 対人関係はギブアンドテイク。女は隣を歩かせて優越感に浸れる彼氏が欲しくて、俺は性欲を満たしてくれる彼女が欲しい。利害の一致で付き合ってるんだから、刺される心配なんて全くない。

「それでね、……ねえ、聞いてる?」
「聞いてる」

 とはいえ、女は面倒臭い。
 俺の経験上、ピロートークを重視する女は特にその傾向がある。

 俺と付き合うイコール浮気を黙認する。付き合う前や付き合いたての頃には確かにあった暗黙の了解はいつの間にか消えていて、その上で俺を独占しようなんてくだらないことを考え出す。
 まあ、俺を独占したいのはわかるけど、俺は縛られるの嫌いなんだよね。マゾじゃないし。

「今ね、ペットのオス犬が発情期で困ってるの」

 お前も大概発情期だろ。
 よがって見せろ、なんて囁いたらその気になっちゃって。頭も股もユル過ぎて萎えるっつーの。

「どうしたら良いかしら?」
「はあ? 虚勢すれば?」

 このあと何処の女のところに行こうかな、なんて考えてると。突然。
 女が俺の上に跨り、シーツに隠していたナイフを取り出して一言吐いた。

「去勢すべきよね」

 細い指に絡まれてぴくぴく痙攣する馬鹿息子はこの危機的状況を全く理解していないようで。息子を除く俺自身は恐怖に震え、ただじっと女を見つめた。

「待っ……冗談は止せよ」
「冗談?」
「くっ……」

 握力。息子を人質に取られている以上、下手に動けない俺はまな板の上の魚と相違ない。

 女が隣を歩かせて優越感に浸れる彼氏を欲しがるのはつまり、周囲に自慢できるモノが欲しいということ。高価な服やアクセサリー、血統書付きのペットなんかがそれで、俺は装飾品と大差ない存在だったんだ。
 今さら気が付く俺って──……。


どんな貴方も愛してあげる

FIN.


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