要するに死亡率99%の短篇作品集です。



「七夕伝説って悲恋っぽいけど超マヌケな話だって知ってたか? アレって要するに、四六時中イチャついてニートになりましたっつー話なんだよ。年に一度の逢瀬も懸命に働くのが条件だし。腑抜けた理由が不純なら働く動機も不純。恋に現を抜かして腑抜けるなんてギャグだろ。まぁ、世の中には織姫と彦星みたいな恋愛至上主義者がごまんといるけど、オレに言わせりゃ恋は人生の余興」
「………」
「聞いてんのか」
「ええ。失恋を恐れて虚勢を張っているのはよく聞こえていたわ。まるで無知と臆病の隠蔽ね」
「はぁ? そういうことはオレをハマらせてから言えよ」

 これが告白だと知ったのは10秒後で、「告白ってもっと献身的なものじゃなかったかしら?」と訊ねたが御生憎様。献身的という言葉が貴方の辞書に載っているはずもなく。
 高慢で傲慢で慢心しているけれど、過剰なまでの自信には確かな裏付けがある。そんな貴方が恋愛に溺れる様はきっと見物でしょうね。
 だからこそ、貴方が変わっていく姿を見たいと思った。節介や媒酌の類ではなく、単純に貴方を愛したいと思った。

 夏に芽生えた恋愛の種火は、燦々と照り付ける太陽が如く燃え上がる。けれど、炎が燻る速度は燃え上がるそれに比例する。
 結果、恋愛を知った貴方は達観して逸脱して発狂した。その様はとても愉快であったけど、その様はとても哀憐でもあったわ。

 恋愛至上主義者は得てして恋愛体質。移り気で浮気性で、常に愛情を欲している。満足に愛してくれない相手なら、もっと愛してくれる相手を求めるのは必然。貴方の慢心がアタシを手放したの。
 だって、そうでしょう? 貴方を愛しはしたけれど、愛し続けるなんて誓った覚えないもの。

 貴方が身を投げたプラットホームはいつもと同じ様相で、無表情な他人ばかり。貴方が砕け散った線路に秋明菊を一輪、アタシは表情を持って放り投げた。


夏の恋 秋に消ゆ

FIN.


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