要するに死亡率99%の短篇作品集です。



「結婚しよう」

 その一言に、私の涙腺は決壊した。

 折角の綺麗な夜景を滲ませ、おいしい料理の味を塩辛くさせた張本人は、憎たらしいくらいの喜色満面で。綺麗な夜景が望める三ツ星レストランにめかし込んで来い! なんて言うから期待はしていたのだけど、現実の衝撃は想像の遥か上を行ってしまうもので。

 返事は決まっているのに、ままならない呼吸が発言の邪魔をする。歪む視界の中、正常に働く聴覚は貴方の含み笑いを拾った。
 ああもう何だか悔しい。いつも易々と私を見透かす貴方だから、少し意地の悪い言葉でも返してやろうか。そう思っていたのに、口を突いて出た言葉はたったの二文字。

「はい」

 これが夢なら醒めなくていい。

 そう思えるほど幸せな一時。けれど、これはきっと幸せの一片に過ぎなくて。
 貴方が傍らにいるこれからは、幸せの連続なのでしょうね。その言葉は涙に堰止められて、視界は再びぐにゃりと歪んだ。

 瞼を閉じて暗転。

 深呼吸。

 ふうっと息を吐き出して、再び貴方の喜色を窺おうと瞼を開けた。

 瞬間。

 其処はまばゆい世界で、視界いっぱいに広がるのは見慣れた天井だった。

「嗚呼」

亡き貴方と         
の         
夢でいましょう
瀬         
が許された場所   


FIN.


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