要するに死亡率99%の短篇作品集です。



 人間の本質が何たるか、及び人間の本質を保持する為に何をすべきか、諸君は知っているだろうか?

 これを語るには先ず、我々人類について説明しなければならない。
 哺乳綱霊長目ヒト科ヒト属ヒト種に当たり、直立二足歩行と著しい脳の発達を特徴とする動物、これが我々人類である。学名の「Homo sapiens」は「知恵のあるひと」の意味で、文字通り我々は三大欲求の上に高潔な理性と高度な思考を持つ生物である。
 また、古来より「ヒトは万物の霊長であり、その為ヒトは他の動物、さらには他の生物すべてから区別される」と一般認識されてきたように、我々は人道主義の下に進化と共生を求める極めて優れた生物でもある。
 無論、言い出したのは人類であるが、これは何と耳に心地好い文句、且つ何と傲慢な偏見であろうか。

 所詮、人間とは宇宙における末子でしかない。故に甘やかされ、浅はかで傲慢に成り果てた。けれども、我々の兄にあたるものどもはとても寛大であった。寛大どころか、自らの身が滅ぼされることにも無頓着。
 それは行雲流水の如し、つまりは生命における根本的な流動。古(いにしえ)の人間は確かにこれを持ち、自然の理に従い、自然淘汰に身を任せて生きていた。にも関わらず、人間はいつから自然界の頂点に君臨するようになったのか。いつから自然淘汰するほど偉くなったのか。
 人間は人道主義に走りすぎた。人間の神格化といっても良い。

 我々が快適な生活を営む為の進化は、我々を形成してきた悠久の淘汰である。そして、我々が掲げる共生もまた、自然との共生であれ、人間との共生であれ、都合の良い馴れ合いでしかない。

 浅はかで傲慢であるからこそ、すべての頂点に立ちたがる。自然においても然り、地球においても然り、宇宙においても然り。
 どんな序列でも、その頂点に座すものが人間でなければ気が済まない。それがあたかも正しく聞こえるように、人間は自身が頂点に座す所以を理路整然と語る術に思案を巡らせてきた。我々人類の大脳と声帯の発達がそんなくだらない言い訳をする為ならば何とも嘆かわしいが、主旨から逸れるので置いておこう。

 人間の本質とは、取るに足らないつまらないものである。それは誰もが、知らぬ存ぜぬを決め込む諸君でさえ知っていること。だが、人間は人間であるが故、この本質に対して瞑目する。これをまともに直視すれば、人間の本質を保持する為に何をすべきか、否応なしにある結論に至らざるを得ないからである。
 故に、私は結論に至った。

 キャアアアアアッ!!
 教授がナイフ振り回してるぞ!
 マジかよ、逃げた方よくね?
 嘘でしょ!? ドアが開かない!

「以上が、大学講義中に発生した無差別殺戮に関する報告と当時録音されていた講義の模様です」
「では、被疑者の供述報告を──」

人間駆除
私は害悪を駆除して罪に問われているが
君は蜚レンを殺して罪に問われるのかね?


FIN.


BOOKMARKBACKNEXT


⇒作品艫激rュー
⇒モバスペ脾ook
TOP